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kazubaka5305

シュナイダースキンク

別名:ベルベルトトカゲ

原産地:中央アジア、西アジア、北アフリカ

大きさ:最大約30㎝

飼育難易度:★★☆☆☆(特別難しくない)


飼育方

◇飼育について

好奇心旺盛で、いい意味で神経が図太く、とても丈夫。まさにペットリザード!という感じの本種。手を差し伸べれば物おじせず近づいてくるし性格も温厚で動きも緩慢。さらには比較的安価で手に入れやすい。これほど飼育していて楽しいトカゲもなかなかいないだろう。昼行性のトカゲの入門種として強くオススメしたい。


だが本種の飼育方法は中々ネットでも見つけられないのは何故だろう…飼育人口も多いはずなのだが…。


本記事ではシュナイダースキンクを3年飼育し試行錯誤しながら見つけた飼育方法を書かせて頂きます。


◇床材について

これには色々と悩まされた。本種はサンドフィッシュばりに床材に潜る。まずペットシーツは完全にNGだろう。けっこう足の力は強いのでボロボロにされる。潜りやすいように赤玉土やパームマットなどを試したが湿気をためやすい床材はあまり向かないように思える。赤玉土はとにかくケージが汚れるし粒が大きくて潜りにくそうだし、パームを使ってるときは一度喘息になりました。


行きついたのは砂系。特にジクラアギト・レプタイルサンド細目は潜りやすいし無菌なのでとても調子がよさそうだ。交換も半年目安でいいのでコスパもいい。実際この床材で産卵まで成功しているのでまず間違いないだろう。


◇餌について

雑食性なので虫をメインに果実や野菜・人口フードを食べる。だが、雑食性のトカゲは総じて個体差が大きく偏食が多い。本種も例にもれず気まぐれで食べたり食べなかったり。色々試して食べないようなら活き餌に切り替えよう。


◇環境について

昼行性なのでUV・バスキングライトは必須。特に本種は紫外線量はけっこう必要に思える。バスキングする時間は長いので多少強めくらいで丁度いい。筆者はGEXソーラーグロー80Wを地面との高さ20㎝くらいの場所に垂直に当てている。この直下でバスキングしたり潜って休んだりしている時間が長い。温度とUV量はかなり必要だと思う。


ホットスポットは上記で大丈夫!そしてクールスポットには是非ウェットシェルターを入れて頂きたい。本種はかなり乾燥を好むくせに脱皮はめちゃくちゃに下手糞だ。乾燥エリアだけだと脱皮不全を高確率で発症する。脱皮不全は不全箇所の皮膚の壊死に繋がり最悪命の危険がある。湿度の高いエリアを作るのにウェットシェルターは非常に適しているし水飲み場にもなる。水入れはひっくり返されるし、あまり重い物をいれると下にもぐった時重みで身動き取れなくなる可能性があるのでウェットシェルターLの使用を強くお勧めする。

▲パームを使っていた頃。この後肺炎になった


◇脱走について

これは筆者が何度も経験した。本種はとにかく学習能力が高い。引き違い戸のカギを忘れたら自分で開けて脱走するし。思いのほかジャンプ力が高いので「これくらいの高さがあれば大丈夫だろう」と思って油断すると目を離したすきに脱走する。しかも一度脱走したらそのルートを使いほぼ確実に脱走する。


本種を飼育する上で一番注意するべき点は脱走だと言って過言ではない。


戸はしっかり閉め、蓋はスキマが生まれないようにする。これが大切だ。しかも彼らはいざとなったら普段の彼らからは信じられないほど素早く逃げる。さながらヒルヤモリばりの素早さだ。「絶対に逃がさない」を心がけよう。


繁殖について

うまくペアで飼育していて環境が整っていれば飼育下で繁殖は可能なようだ。

まぁ雄雌をうまく揃えれれればだが…。本種にかぎらずスキンクの雄雌の判断はプロにも難しい…。


繁殖期はクーリング明けの春。メスが発情するとオスを追いかけるようになる。

これは個体差だとは思うが、なかなか交尾が始まらない場合は一旦ペアを別け、1週間ほど間をあけてペアリングしたらうまくいった。▼は交尾中のシュナイダースキンク。



この後数日間は度々交尾を行い、メスは徐々に妊娠期間に入る。

妊娠期間は約一ヵ月。その期間中メスは餌をあまり食べなくなり、非常に神経質になる。

オスを見ると興奮・威嚇し、噛みつくようになる。素直にオスを離そう。


卵は一度のクラッチで2~3個。楕円形で柔らかい卵殻につつまれた卵を産む。


※2021年5月現在、2個の卵を保温中。無事産まれる事ができたら追記させて頂きます。


本種の魅力

程よい大きさで好奇心旺盛なトカゲ。触れ合える点で言えばレオパよりも愛嬌がある。それほどペットリザードとして優秀だろう。


本記事で気を付ける点をつらつら書いたが、よく考えてみると当たり前の事を書いてるだけだ。つまり基本的なトカゲの飼育方法を踏まえていればまず間違いなく飼育できる。


本種は飼育しやすい種類だが安価な為ブリード個体が出回らない。筆者としては是非飼育方法だけで無く、繁殖方法も確立したいと考えている。CB個体ならばより寄生虫などのリスクも減り、健康な状態を維持しやすい。是非本種もペットリザードの「メジャー」「ポピュラー」な種類としてフトアゴやレオパと肩を並べる存在になってほしいなと思います。そのポテンシャルは十分に秘めているはずです。


閲覧数:6,770回2件のコメント

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2 Comments


綾野GO
綾野GO
Oct 04, 2022

kazubaka5305さんのシュナイダースキンクの記事を参考にして最近シュナイダースキンクを飼い始めました!ライトも同じものを購入して、夜はライトを消しています。これからの季節気温が下がっていくのが心配なのですが、暖突やパネルヒーターなどの設備は不必要か教えていただけたら嬉しいです!

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kazubaka5305
Oct 05, 2022
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コメントありがとうございます。

夜間の保温の件ですが、暖突またはパネルヒーターはあれば安心です。パネルヒーターとソーラーグロウの併用は高温になりすぎる可能性があるのでパネルヒーターは夜間のみの使用をお勧めします。


ただ経験上、私は夜間保温は室内温度15度を下回らない限りやっていなくて、それでも元気にやっています。むしろしっかりクーリングをする。クーリング明けの春にはしっかり餌を与える。これで産卵までいっていますので様子をみて挑戦してみるのもいいと思いますよ!

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