別名:モンキーテールスキンク
原産地:ソロモン諸島固有種
大きさ:最大70~80㎝程
飼育難易度:★★★☆☆(飼育自体は容易だが飼育スペースの確保と知識が必要)
飼育方法
◇オマキトカゲについて
生物としての頑強さでは耐高温度性、耐蒸れ、耐乾燥どれについても強く、飼いやすい分類になります。ただ、低温や極度の高温、水のない状態での乾燥状態や高温での蒸れについては徐々に体調を崩すので気が付いたころには拒食気味になったりします。基本さえ見逃さなければ体の強さは初心者向けといってもいいと思います。
ネックなのは設備です。これがこの種の飼いにくさのハードルを上げているといってもいいでしょう。ケージだけでも少なくても高さ60センチ以上は欲しく、安定した温湿度勾配を取るには高さ1mは欲しいと思われます。同時に温湿度勾配を取るために空間暖房能力の高いヒーターとエアコンの併用。腹から温めるための底面ヒーター、紫外線もいらないと言われがちですが、あるとないとでは肌つやが全く違うので必須です。また、冬場においては加湿できる装置が必要です。ミストをタイマー管理で吹き付けられると理想的です。といったように設備費もかなりかかります。
◇ケージについて
本種の飼育にあたって、私は自作の木製ケージを使用しています。最初のころは600*600*1000㎜の自作ケージでしたが、手狭に感じていたところに部分的に壊れたので600*500*1500㎜の木製自作ケージをドッキングさせました。自作木製ケージのいいところは温湿度を保ちやすく、増改築がしやすいところにあると思っています。オマキトカゲはどんな角度でも登ることができるので登り木をビス止めで増設しやすく、壁面にエサ台を設置することもできるので便利です。
他の飼われている方を見ると小動物や鳥などに使えるメッシュケージを使われている方も多いですね。市販のものではかなり大きめですが、爬虫類ガラスケージでも飼育可能です。個人的には単独飼育で少なくても500*500*800㎜に近い空間が確保できれば大丈夫だと考えています。
既存の爬虫類用のガラスケージで単独飼育を目的とするのならグラステラリウム9060またはレインフォレストタンクL Hi90、JURAパーク900hあたりが無難かと思われます。
最大の注意点としては脱走です。オマキトカゲはかなり力が強く、頭も回るので内側から扉があけられないように施錠するなどの対策が必要です。一度脱走したルートは覚えられているのでそのままですと再び必ず脱走します。 また、扉以外でも空気の流れや匂いを読んで通れそうなところはどんどん攻略しようとします。定期的にケージの点検はしたほうがいいでしょう。特に時間経過で歪みやすい木材やプラなどのパーツの部分は念入りにチェックしたほうがいいでしょう。
◇温度について
オマキトカゲの通常時の温度域は23~33度くらいです。
エアコン設定は24~26度くらいで、夏は飼育部屋の通気性が高く、気温が上がりすぎないならばエアコン不要です。鉄筋コンクリ造の家屋などは高温になりすぎる可能性があるのでエアコンは入れたほうがいいでしょう。冬は必ず暖房を入れてください。ケージ内温度が保たれていれば不要ですが、高さの高いケージの温度を一定に保つのはかなり難しいです。バスキングについては朝方にバスキングすることがあるので紫外線ライトの周辺は35~40度くらいあってもいいですが、ケージ全体をここまで高くしてはいけません。逆に底部のほうは20~25度くらいでも大丈夫です。冷え過ぎ防止に一部の底面にヒーターが設置できれば理想的です。広いケージを使用すると季節によって温度が結構変化するので通気量を少なくして保温性を高めるなどの工夫が必要です。
温度維持には暖突、ヒーティングトップなどが空間を温めるものとしてはおすすめです。セラミックヒーターや保温球もいいです。総じて注意すべきは火傷で、ケージ内に設置するものなら平気で登っていきます。保温球等にシャトルを使う手もありますが、網で保護されていない照明器具基部の部分は高温になり、危険です。ケージ外でも熱せられた上部網なんかも平気で登っていくので注意が必要です。こういったところは樹上種の多くに当てはまる課題だとは思いますが、飼い主の工夫が試されるところだと思います。
底面のヒーターは製品ケージで専用の格納スペースのある種類のケージやケージ下側に敷いて熱が伝わって重量で壊れないようであれば一般的なパネルヒーターを使っても大丈夫だと思います。自作ケージなどで底面ヒーターをケージ内面に設置しなけれればいけない場合は床材埋め込みヒーターのモグリッチなどの製品もあるのでそちらを使うのもいいと思います。
◇湿度について
湿度については理想としては60~80%程度を維持できればいいと思いますが、ケージの高さが高いと位置によってかなり湿度が変化します。また、季節や天気にも非常に左右されます。外気温が上がってきて湿度も高くなってくると床材によってはそれだけで60%以上は確保できますが、冬場は40%を切ることもあります。特にヒーター周辺は30%を下回ることもあります。これは朝晩の霧吹き程度ではどうにもならないので私はミストメーカーを用いた加湿器をタイマー管理して定期的に加湿しています。タイマー内蔵のミスティングマシンもありますのでそちらを利用するのも一つでしょう。また、低湿度時は水分を欲しますのでスポイトなどでの給水をお勧めします。冬場は便秘注意です。
加湿を製品の噴霧器にするのであればタイマー付きのモンスーンソロは便利です。運転音がうるさいのと吹き付ける場所を考えないとガラス面などは水垢がすごくつくこと、意外と吹き付け口の消耗が激しいなどの弱点はありますが、噴霧という目的にはもってこいだと思います。超音波式加湿器ではフォグもあります。例外として市販の人間用加湿器をケージ内に吹き付けられるようにするなどの手がありますが、こちらは特に自己責任ということでお願いします。
◇注意点
ちなみに「こうすると高確率でダメな例」としては、最高温度20度を下回る環境を長時間作ってしまうと体調を崩します。また、かなりの乾燥状態のときに、水を飲ませてあげなかったり、自分で飲む子は水入れに水を入れておかないとこれも体調を崩します。特にヒーターは故障して大事に至る可能性があるのでできれば2台同時使用で寒さをしのげる場所を作ってください。
◇紫外線について
紫外線については強力なものである必要はないので森林用のものを使うのがいいと思われます。メタハラやセルフバラスト水銀灯などは紫外線が強くなりすぎる可能性があります。強すぎる光や紫外線は目に悪いため使用は様子を見てオマキトカゲがケージ下側ばかりにいるようでしたら使用を中断したほうがいいでしょう。
◇登り木について
飼育に必要なオプションとして最も重要なのは登り木です。コルクや流木、天然木の乾燥消毒品、スパイラルパーチ、ジャングルヴァイン、モモンガや鳥などの止まり木など何でもいいです。
なんでもいいとは言うものの、数をそろえてしっかり配置するのは結構難しいです。これはケージの項目と若干矛盾するのですが、実はオマキトカゲはウォータードラゴンやバシリスク、ホカケトカゲなどといった飛び回るトカゲと比べてそこまで広い居住空間を必要としません。飛んだり跳ねたりをほぼしないからというのと飛び回るトカゲ以上にいろんな角度でいろんなところに上っていけるからです。ということはケージの中を縦横方向にいろんなルートで動き回れるようにしてあげればケージ大きさ以上の有効空間を確保することができるわけです。
そのためには登り木をいろいろな角度で設置してあげる必要があります。私が木製ケージを勧めるのはこういった止まり木をビスなどで簡単に増設しやすいからです。ガラスケージの場合ですと立てかけるなどの手もありますが、シリコンコーキングで壁面に固定するなどの手があります。ケージのサイズに合わせて切った木などを落ちないように仮固定して壁面と木にシリコンを塗って乾燥させます。乾燥させるまで地味に時間もかかりますのですでに成体がいる場合はあまりお勧めできません。どのケージも止まり木と止まり木が崩れることがないよう頑強に補強しましょう。
他の樹上種ですと壁面にペット用のコルクボードを張るなどの手もありますが、オマキトカゲは成体で500gは超える個体が多いので早くにボロボロになる可能性があります。交換を視野に入れた設置が望ましいです
◇その他飼育に必要な物
シェルターについてはあってもなくてもいいです。シェルターがないほうが慣れは早いという意見もありますが、シェルターがあったほうがストレスは少ないと思います。私のところではシェルターはありませんが、後述する水入れの下に穴を掘って隠れることがあるのでそれがシェルターともいえます。シェルターを導入するのであればかなり大型のものが必要になります。自作という手もありますが、製品ですとロックシェルターSP XXLがぎりぎり入るかどうかというサイズです。鳥用のシェルターを改造したり、ウサギなどの小動物用シェルターを改造する例もあるようですが、実例を見たことがないのでどこまで使えるかは未知数です。
大型タッパーやふろ用の湯オケやふろの湯オケやバスチェアを改造する例もあります。コスパはいいと思います。ただ、加工の際はバリを取ってとがった所を丸めるなどのケガ対策は必要でしょう。
次に水入れについてですが、広さは全身が入れるものがいいでしょう。深さは脱皮不全の視野から考えると全身が浸かれるものが理想的です。もし、繁殖も考えるのであれば実は深い水入れは子供がおぼれる事故が起きた事例があるらしいので注意が必要です。浅めのものがいいでしょう。製品で深めの物ならウォーターディッシュXLやレプティロックコーナボウルXLなどがちょうどいいサイズ感です。浅めにしたいときはこれらの水量を減らしてもいいです。私は大きめの鉢植えの受け皿を使用しています。
どの水入れにも共通しますが、オマキトカゲが下にもぐって自分でシェルターにするときがあります。転倒や跳ねた水が電気機器に入って漏電するなどの2次災害がないように周囲に注意して設置したり、物を選ぶのが安全です。
ちなみに、樹上性のトカゲでありがちなのが「水入れの水を飲まない」です。本種も個体差により水入れから水を飲まない場合があり流動しているものしか水と認識してくれない場合があります。
その場合は水入れをエアーポンプで泡立てる方法もあります。水を認識しにくい種類にはよく使われる手法ですが、やってみたところ、オマキトカゲに対しての有効性はあまり感じられませんでした。同様にドリッパーでの水補給もそこまで効果を感じられませんでした。個体差が激しい種なので効果のある個体もいるかもしれません。
どうしても水の認識が難しい場合はスポイトで水を与える回数を増やしたり、餌もトマトなど水分の多いものを与えて少しでも水を取ってもらうようにしましょう。
エサ皿についてですが、出来れば深さのあるものがいいでしょう。それこそ犬猫用のエサ皿でもいいです。オマキトカゲの移動や穴掘りで床材などがエサ皿の中に入ってしまう危険性が高いので誤食を回避したいのであれば深めの皿をお勧めします。また、別の方法としてはエサ皿を乗せるエサ台をケージの中くらいの位置に設置してそこにエサ皿を乗せる方法や吊る植木鉢をエサ皿の代わりにする方法などがあります。水気を多く含む野菜や果物で日々汚れるものなので簡単に掃除できるようにしたほうが楽です。
◇餌について
オマキトカゲは基本的には完全草食性で野菜・果物・草食性爬虫類フードで飼育することができます。
野菜・葉野菜では、小松菜、チンゲン菜、サラダ菜、セロリの葉など一般的に草食爬虫類に与えて大丈夫な葉野菜類を毎日与えます。数種類の野菜やフルーツを混ぜて与えてください。食べ残しが少し出るくらいが適量です。高カロリーなものは回数を控えてください。路地野菜やポトスや桑の葉などは農薬などの化学物質や寄生虫などが付着している可能性があるのでよく洗ってから与えてください。その時はよくても体内で蓄積してあとで取り返しにならなくなると危険です。
例外として、昆虫類も食べなくはないです。冷凍コオロギなどを産後などの時期に与える場合もあります。おそらく自然界では葉についた虫を葉と一緒に食べている可能性が高いです。飼育環境下ではたんぱく質などの入った人工フードもありますのでわざわざ食べさせる必要はないと思われます。与える場合は自己責任でお願いします。
◆与えていいもの◆
【野菜・野野菜】
小松菜、チンゲン菜、サラダ菜、セロリの葉、サラダ菜、春菊、水菜、豆苗、大根の葉、カブの葉、モロヘイヤ、大根菜、ロメインレタスなど一般的に草食爬虫類に与えて大丈夫な葉野菜類
【野菜・それ以外】
トマト、ミニトマト、ピーマン、ズッキーニ、ニンジン、カボチャなど。
※ズッキーニ、ニンジン、カボチャは薄く切ってレンジで軽くチンすると甘みが出て食べがいい。
【果実】
バナナ、リンゴ、ブルーベリー、イチゴ、マンゴー、ミカン、オレンジ、キウイなど。
※基本的に甘いものは好きでよく食べる。与え過ぎでの肥満に注意。野菜だけでは食べが悪いときには細かく切った果物を混ぜるとは野菜もつられてよく食べる
【その他食物性の餌】
桑類の葉、ポトスなど。
※両方とも原産国に生えている種類があるため、よく食べる。ポトスは他の爬虫類に与えてはダメ。オマキトカゲだけが分解酵素を持ち、何故か食べた後の便通がいい。
【人口フード】
レップカル・マズリ・スドー・ジクラなどのリクガメフード、レップカルのイグアナフード、ジクラなどの爬虫類用ゼリー、レパシーのクレステッドゲッコーフードなど。
※乾燥野菜を水で戻す系のエサはまず食べないので注意。
◆絶対に与えてはいけないもの◆
ネギ・タマネギ・ニンニク・ニラ・唐辛子、トマトの葉、モロヘイヤの実など動物にとって有害な物質を含む野菜類
◇床材について
実はオマキトカゲは床材をよく掘ります。湿度が足りないときなどは全身が埋まるくらいに掘るときもあります。そういった点から私はオマキトカゲの床材としては湿度を保ちやすいものを厚く敷くことお勧めします。私のところでは床材は単品で統一しているのではなく、ミックスしています。ハスクチップ大粗+パームマット+湿潤ソイル+レプタイルサンド湿潤で作ります。ハスクチップは表面のみでその下5センチ程度をそれ以外をよく混ぜたものを使います。ハスクチップやパームマットなどは土などと比較するとそこまで湿度を保てないため表面の乾燥を防ぐくらいの感覚で入れています。
また、上層に粒の大きめの床材があると掘ったときに弾き飛ばされる下層の細かい粒が飛び散りにくくなります。さらに上層の粒は大きいので飛び散っても掃除が多少楽です。
床材のメンテナンスとしては週に1~2程度水を撒いて湿らせましょう。交換時期は表面のハスクチップが水気を含んで痛んできたら上層のハスクチップは全て交換、下層の混合土は1/3程度を交換して残った下層は新しく足したものとよく混ぜましょう。この時古いハスクチップの痛みが少なければ一緒に混ぜても構いません。
ちなみに上層のハスクチップはオマキトカゲの糞や尿酸の処理のときも色が目立って見つけやすいし、一緒に固まるので処理しやすいです。
上記の混合床材の弱点としては湿らせすぎるとコバエが発生する可能性があります。観葉植物の土でも発生するキノコバエの一種が少量発生します。木酢液をかなり薄めて土にまくことで多少落ち着きますが、湿らせすぎも不衛生なので様子を見て撒く水の量は調整しましょう。
雌雄の判別について
個体差もありますが、オスはメスより一回り小さくメスは特に腹回りが大きくなります。分かりにくいですが、オスはメスより後頭部の突起が張り出す傾向があります。総排泄口のスリットの有無で判別する方法もありますが、これも判断は難しいです。
繁殖期のオスは糞と同時に精子を排出します。メスは2回に分けて無精卵を排出します。
オスのほうが性格としては好奇心旺盛なことが多く、いろいろな場所に行きたがります。メスはどっしり構えていることが多いです。
本種の魅力
オマキトカゲは最大80センチになるスキンク最大の種類です。飼育下ではそこまで大きくなることは珍しく60センチ周辺が平均的な大きさでしょう。尾が長く胴体が短いため、ボリュームという意味では大きめに成長したアオジタトカゲより少し小さく感じる個体も少なからずいます。手足は大型スキンク類の中では長く、特に樹上性に特化した爪は鋭いです。力も強いのでハンドリングすると大したことはないですが血が出てしまうこともあります。慣れてくると手加減してくれるのでそこまでダメージをもらうことは少ないです。
別名爬虫類界のコアラといわれるように生まれた子供は母親の出した糞を食べて腸内菌の受け渡しを行います。そのため、数カ月から半年は子育て期間が必要で、この期間に子供を親元から離すと子供は生きていけません。上手く栄養を吸収できずに食べていても死んでしまいます。コアラがユーカリといった毒のある植物を食べても問題がないようにオマキトカゲはポトスという有毒植物を食べることができます。ポトスは食べさせたほうが排便の調子がいいです。与え過ぎには用心ですが、おやつ程度に適量を週1~3回与えてみるといいです。ハンドリングの慣らしに手から食べてもらうものとして非常に優れたご褒美になるでしょう。
オマキトカゲはソロモン諸島周辺に生息しています。主にガダルカナル島、サンタイサベル島、マライタ島、ブーゲンビル島(パプアニューギニア)に生息するとされています。目は黄色やオリーブ、茶色をしていて、体は緑から黄緑、茶色、黄色をしています。背中にバンド状の模様が出る個体もありますが、ない個体もいます。頭は上から見ると丸みを帯びた三角形、胴は太く、尾が長いです。尾は巻き付ける力が強く、それだけでぶら下がることができます。手はかぎ爪状の爪が付いていて足の力は非常に強いです。短時間ですが、木の上なら立ち上がることもできます。動きは基本的にはゆっくりですが、本気を出せばそこそこの早さを出すことはできます。多少の段差があればどんな角度でも登ってしまうことがあるので脱走には注意が必要です。
学名はCorucia zebrata、亜種としては基亜種のzebrata、北方亜種のalfredschmidtiの2種に分かれるとされています。ただ、最近島ごとによるロカリティがあるという話もあり、見てみると目の色や体色、サイズや体格など細かく見ると違います。未確認ですが、島が違うと子供ができにくいという話もあるので繁殖の際は注意が必要です。
現地ではコロニーを形成する種なので多頭飼いが可能です。ただし、コロニーを形成する種類に共通する事項として敵と判断した個体には倒すまで追いやることがあるので同居開始時は喧嘩に十分注意して少しでも怪しい動きが見えたら引き離しましょう。
また、卵胎生で子供は1~2匹産みます。オスの性欲は強く、発情が開始すると頻繁にメスを追い回すため、メスがストレスを感じる前に引き離したり、求愛を止めさせるなどの工夫が必要です。最低温度が高い状態では求愛しにくいように感じるので温度を上げるのも一つの手でしょう。
生活リズムは夜行性です。夜行性ではありますが、夕方から深夜まで起き、疲れたら眠り、朝方にまた起きてバスキングをしてまた寝て、昼も気分によっては起きて餌を食べてまた寝るといったようなダメな人のような生活リズムを送ります。好きな時に起きて好きなときに寝るスタイルです。
…実に羨ましい…(笑)
気性が荒いトカゲとして記載されることが多い本種ですが、一言に気性が荒いトカゲとは言い切れません。慣らすことで自分から人間の体に上ってきてしばらく這って遊んでいくようなことや、顔をしばらく撫でさせてもらえたりすることなどが出来、犬猫まではいかないものの、かなり懐くというものに近いようなところまでは持っていくことができます。しかし、気性が荒い個体もあります。特にお迎え直後は神経質になり、15~20センチくらいジャンプして噛みつこうとする個体もあります。まずは手から餌を食べてもらえるようになるまで落ち着いてもらいましょう。どうしてもどうにもならない子もいますのでそういった場合はハンドリングはあきらめてください。
落ち着けば多くの子が手から野菜などを食べてくれますのでそこからだんだん半年から一年程度をかけて慣らしていってください。また、オマキトカゲはお互いを調べるときに鼻先を舐めあう様子がうかがえるので臭いで敵かどうかを判断している節があります。即噛みの状態でなくなったら人の手が敵でないことを判断してもらうために舐めて臭いを覚えてもらうのも手でしょう。その際に噛まれないようにオマキトカゲが通れない程度の目の大きめの網などで防御することをお勧めします。
脱皮は1~2カ月に1回程度することが多いです。特に注意するべきは指先で本種は脱皮不全による指とび爪とびの事例が多く見られます。脱皮して2日以上たっても殻が残っているようなら温浴をお勧めします。この際あまりしつこく人の手で剥いていると慣れている個体でもさすがにキレて噛みますのでそこは人間の勝手で剥いているので落ち着いて対処しましょう。脱皮時以外でもオマキトカゲはなぜか手足指先を触れるのを非常に嫌がりますので注意しましょう。
オマキトカゲは興奮すると噴気音っぽいピーピーした小さな鼻息音を鳴らしますが、これはおおよそ健康的なので問題ないです。楽しいときでも辛いときでも怒っているときでも興奮すればピーピー鳴ります。音のリズムや長さで若干の変化がわかりますが飼育の上で判断ください。
オマキトカゲの入手についてですが、正直言いまして高額種に分類されます。今後値段が下がる可能性は低いでしょう。入荷数自体が多くないです。好きな個体を選べるかどうかは入荷状況にもよりますが、少なくても健康状態などは
①手から餌を食べること
②鱗がささくれ立っていないこと
③怒るにしても興味を示すにしても動きが悪くないこと
④肩で呼吸をするような変な呼吸をしていないこと
⑤目や体に傷や化膿などがないこと…
といったような点を注意して購入をご検討ください。
今回、情報提供と記事をご提供頂きました「矢島 康祐さん」!本当にありがとうございます!愛情溢れる記事でした♪矢島さんはオマキトカゲだけでなくアイコンにあるような「ハダカデバネズミ」や「カメレオンモドキ」などのお写真や動画をアップされています♪是非チェックしてみて下さい♪
Comments